年間200万トン以上もの繊維製品が廃棄される日本。この社会課題に立ち向かうべく、株式会社colourloop(カラー・ループ)が新たな挑戦を始めました。
古着や古布といった廃棄繊維を素材に、デザイン性に優れたベンチを製作するためのクラウドファンディングプロジェクトを、2025年3月5日から4月30日までの期間で開始しました。
同社が目指すのは、廃棄繊維を“ゴミ”ではなく“資源”として活用する循環型社会の実現です。このプロジェクトでは、独自のリサイクル技術「Colour Recycle System」を用い、古着を色で分別し、新素材「TEXLAM®︎(テクスラム)」を使用してベンチを製作します。
廃棄繊維を色で分け、新たなデザインへ
日本では年間約200万トンもの繊維製品が廃棄され、そのうち約75%が焼却・埋め立て処分されている現状があります。従来の繊維リサイクルでは、異なる素材が混紡・混織されているため、リサイクルのハードルが高く、活用できるのは灰褐色の工業資材に限られていました。
そこでcolourloopは、繊維廃棄物を「色」で分別し、その魅力を活かす新たなリサイクル技術「Colour Recycle System」を開発。この技術により、古着や古布をデザイン性の高い新素材へと生まれ変わらせることに成功しました。
デザイン性と環境意識を両立する「TEXLAM®︎」
プロジェクトの主役となる「TEXLAM®︎」は、京都工芸繊維大学大学院ファイブロ環境工学研究室と共同開発した繊維由来の新素材です。色の美しさに加え、厚みや密度、断面のデザイン性を自由に変えられる点が特徴で、家具やインテリアなどへの応用も期待されています。
1台のベンチ製作には、約600枚のTシャツが使用される予定で、5台分の製作で約3,000枚の古着をアップサイクルすることが可能です。人々が座り、触れることで、繊維廃棄の現状を知り、持続可能な社会への意識を高めるきっかけになることを目指しています。
クラウドファンディングで目指す300万円
本プロジェクトはクラウドファンディングサイト「READYFOR」にて、300万円を目標に資金を募っています。集まった資金は、TEXLAM®︎を使用したベンチの製作費や設置費用に充てられる予定です。
支援者へのリターンには、TEXLAM®︎を活用したベンチやキーホルダー、フォトフレームなどのプロダクトが用意されています。また、出張講演などを通じて、プロジェクトの進捗やリサイクル技術の可能性を共有する予定です。
株式会社colourloop代表取締役の内丸もと子氏は、「今回のクラウドファンディングを通じて、廃棄繊維の新たな可能性を広め、多くの方にサステナブルな選択肢を提案していきたい」とコメントしています。
プロジェクト詳細
プロジェクト名:年間200万トンにおよぶ廃棄繊維、私たちが捨てた古着に新たな命を。
目標金額:300万円
募集期間:2025年3月5日~4月30日
クラウドファンディングサイト:READYFOR
廃棄繊維の新たな可能性を広げる本プロジェクトに、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。
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